小沢新党に見る国会議員の幼児性

小沢新党(国民の生活が第一)に対し、多くの国民は期待や魅力など全く感じない。「反増税と反原発」の国民感情を利用した選挙目当ての騒動で、ご都合主義としか思えないからだ。

小沢氏に常につきまとうのは、「権力、カネ、政局」である。権力でカネを集め、主流になれなければ、政局を仕掛けて権力を奪い取る手法は、多くの国民に見透かされている。

この手法は、小沢氏が口にする「国民の生活が第一」という言葉とは裏腹であり、発言と行動とはまるで違う印象が強いからだ。「関心は天下国家」と発言するわりには、放射能から逃げ回って、東北被災地に足を運ばない小沢氏の政治行動は、実行が伴っていないことをさらけ出した。。

小沢氏は国民そっちのけの政争で、政治を停滞させる愚を繰り返している。新党をつくっては気に入らないと壊し、それを繰り返すだけで幼児性丸出しである。民主党マニフェストは、国の借金が1千兆円超えるなか、無責任で実行不可能な甘い夢にすぎないのは明らかである。このマニフェストを主導したのは、財源の裏づけのない「果たせない約束」を作った小沢氏ではないのか。実現不可能なマニフェスト固執し続けるのは、論理的な言い訳にもならない。

幼児性丸出しの小沢氏の言動に賛同し、ともに行動した小沢新党の議員は、選挙目当て、金目当てで大人の政治家とはとても思えない。何のために、政治家になったのか。

今や国家予算の半分以上が、借金頼みで、予算の約4分の一が借金返済に充てられている。世界で最も少子高齢化が進んでいるため、税収は伸び悩み、社会保障費は増え続けており、成長など期待できない。増税なしには、社会保障の維持などできないことは分かるはずだ。小さな政府で、社会福祉など実現しない。

格差社会の是正には、富裕層への所得増税をすべきである。経済グローバル化の中で、政策選択の幅は広くない状況であるにもかかわらず、国会議員の口から「消費税増税の前にやることがある」、「景気回復が先」というせりふが出てくる。すべてが選挙目当てで、対案もないまま反対をする。

そんな政治家が多いため、選挙の度に、日本は莫大な借金国家になってしまった。日本の政治家は、まるで子供と同じである。やらなければならないことは、分かっているのに、選挙民に嫌がれることは後回しである。国のデフォルトが迫っているなか、国会議員であるのに、新しい現実と変化の必要性に対する認識を拒み、真剣に考える姿が見えない。

政党政治に対する幻滅が広がるばかりで、民主社会は崩れ去るだけである。無党派層が増えて、政党の基盤は脆弱化し、液状化している。政党が機能不全になっているのは、国会議員の努力がないからだ。政党の商品は、政策と人材であるのに、税金である政党助成金は、政策作りに充てられず、国会議員で山分けをしているだけだ。政党そのものが幼児性を露呈している。