「クーデター未遂事件」のポピュリストトランプ大統領、遂にアウト!

根拠のない陰謀説を信じたトランプ信者による米連邦議会襲撃事件は、民主主義の下で行われた選挙結果を覆すためのトランプ大統領による「煽動」と「クーデター」未遂事件であったが、民主主義のお手本の国が世界中の恥さらしになった。

 

大統領とトランプ一族はことの重大性がわからず、この地獄絵を安全な場所にテントを張って高みの見物をしていたそうで、議事堂占拠を眺めていたトランプ大統領は州兵も出さないため、鎮圧の州兵を派兵したのはペンス副大統領で、非常事態宣言と夜間外出禁止命令を発出したワシントンDCの市長であった。この間に陰謀説の嘘八百の毒を信じたトランプ信者4名が死亡した。

 

国民と直接コミュニケーションを取り、国や社会の内部に敵をつくるポピュリストであるトランプ大統領の行動様式は、中南米によく見られるもので、ベネズエラのチャベツ前大統領やブラジルのボルソナーロ大統領などのポピュリストと同じである。トランプ大統領の登場で、米国はラテンアメリカ化してしまった。国民と直接つながるために、批判的なメディアを排除することが、ポピュリストの重要な要素になっているからだ。

 

議会下院の民主党は、前代未聞の事態について11日にもトランプ大統領の罷免を求める弾劾訴追の決議案を提出する見通しである。ただ、トランプ大統領の任期は20日で終わる上、上院多数派の共和党が反対するため、実際に罷免される可能性は低いが、政権交代前に情勢は緊迫している。

 

怒り心頭の民主党ペロシ下院議長は、「不安定なトランプ大統領が軍事行動を主導したり、核兵器を使った攻撃命令を出すことを防ぐためとして、ミリー統合参謀本部議長と協議し、「錯乱したトランプ大統領による攻撃から米国民を守るため」にあらゆる措置を講じる必要あると報道された。米国では大統領が核兵器を使うと決めれば、法的に核のボタンを押すことを制限できないらしい。

 

さらにトランプ大統領ツイッターで「7500万人の愛国者よ」と呼びかけ、バイデン次期大統領就任式に欠席すると表明したが、就任式での暴力行為を企てている者を後押ししかねないことから、ツイッター社はトランプ大統領のアカウントを永久停止した。これに対し、トランプ大統領は「近い将来、独自のプラットフォームを立ち上げる可能性を検討している。我々は沈黙しない」とする声明を出した。どこまでもポピュリスト大統領には、ソーシャルメディアが欠かせないのだ。

 

バイデン次期大統領は「彼が来ないことはいいことだ。彼はこの国にとって恥ずべき存在であり、世界中でわれわれに恥をかかせた」と述べていた。

 

ポピュリストのトランプ大統領はやっと退場するものの、2024年の大統領選に向けて新しいメディアを使って5000万人の信者を集めた「トランプ王国」の建国宣言をするのではと言われている。今しばらくはこの扇動政治家ポピュリストの挙動から目を離すことはできない。